海に棲む魔物から発せられる不思議な光は、一つ一つふわりと夜空へと浮かびあがり幻想的な空間を創りだす。
これには人、魔物、動物問わず、全ての生き物は心から魅了され心ふるえるだろう。
人や魔物の中には知らず知らず涙を流す者ですらいた。
ユーリも思わず目頭が熱くなるのを覚えながら、そっと隣にいる緑羽を盗み見る。と同時に驚愕した。
彼女の視線は間違う事無くあの空間へと行っているというのに、皆と違い感動に打ち震える事無く表情もいつもの朗らかというか能天気な様子から打って変り、かつて一度だけ見た事のある冷たい雰囲気を出している。
常日頃の彼女ならば、感動して涙していると思ったのに。
これは一体、とユーリが考えを巡らせようとすると、
「不思議だな」
とぽつりと呟く。
その言葉にユーリは、ああこれが緑羽流の真の感動の仕方、とか?と淡い期待を抱いた。
「そうだな、こんな景色、二度と見られないだろうな」
そしてそう返答したのだが、緑羽から発せられる言葉に目を見開く羽目になった。
「いや、違うんだ。皆、同じ方を見ていて不思議だなぁって」
「?」
「・・・同じものを見て、感動し、涙を流す」
視線を外す事無く緑羽はらしくなく淡々と告げた。
「思いを共有できているのに、不思議だな」
言われてその真意に気付き、ユーリはああ、と一人納得する。
そうか、お前にはそう見えるのか。
「全てが全て、上手く行ってる訳じゃない。けどさ、でもお前は実際よくやってるよ」
「ユーリ・・・?」
此処で初めて緑羽が視線をユーリへと向けた。いつもの朗らかそうな表情で。
「感動してないのかと思って少し驚いた」
「・・あ!ああ、すまない、そういう訳じゃなかった・・・というか、変な事言ってなかったか?」
「いや、別に?」
わざとおどけて言ってやれば、楽しそうに笑う。
その笑顔を見てユーリは漸く安堵して、再び幻想的な景色に目を向ける。
まあ、確かに言われて見れば皆同じ方向に向いてて感動してて、傍から見れば不思議な光景だろうなぁとユーリも思った。
でもそうだ、多種多様な種族生命が同じものを見て感動できる。だからこそ緑羽が落ち込む気持ちも分からなくはないが、案外大丈夫じゃないんだろうか。
「お前はお前の信念貫いて頑張れよ」
俺はちゃんと見てるからさ、とユーリが緑羽の頭をわしわしと髪を乱すように撫でた。
「え?はは、ありがとう」
恐らく緑羽はユーリの言いたい事をきちんと理解しているのだろう、心の底から幸せそうな顔をしてる。
まあ、それも傍に控えていたヘーメラーの、
「ユーリ!!緑羽様の髪、折角セットしたのに!!」
と悲痛な叫びで幸せそうから楽しそうなものに変わってしまったのだが。
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ねためもめも。
いずれ描いてみたい話のものを文にしてみました。文になるかもしれませんが!
ユーリと緑羽ってカップルというより理解し合っている心友っぽいので非常に書きやすいコンビかもしれない。
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