これの続きで死神視点です。
彼岸花が咲く時期。
あの子は大きくなって俺の前に現れた。
死神っていうのは基本的に上が決めた魂を天界まで運ぶ仕事をしている。
中にはそれを悪魔的な意味で捉える者もいるが、こちらとしてはただ単に仕事の一環なので迷惑甚だしい話である。
でも、たまーに、神さまの中にもいるけれど、気に入った人間の魂を貰っちゃう事もあるのだ。もちろん何も告知せずにそんな事をすれば、追放というか処分されるけれども、事前申請しておけばその心配もない。あ、言うまでもなく、年中そんなことはできない。何十年かにいっぺん、許可されたらラッキーなもの。
中には数百年経っても却下される奴がいるが、ああいうのは高貴すぎたりする魂を狙うから悪いのだ。
あの時俺が選んだのは光こそ人よりちょっとだけ強い、でも穏やかそうで優しそうな魂。
自分には無い物を持っていたその魂に惹かれ、欲しくなったから、狩った。
狩った、んだけれども。
うん、正直に言おう。
狩った後に会った、その魂の持主の息子に一目惚れした。
別に子供が好きってワケじゃない。
魂の輝きとか意思の強そうな瞳とかこんなナリした大人見て動じずに綺麗とか言っちゃうところとか。大人になったらイイ男になりそうっていうのも思った。
ちょっと前に会った、神さまにすごく似てたんだ。
だから、その魂は上に渡して輪廻転生の中に戻してもらった。だってもういらないから。
うん、その人の家族にはホント申し訳ないコトしたけど。
でも、その子の魂が欲しい訳じゃない。じゃあどうしたいって言われると良く分かんないけれど、強いていうなら構ってもらいたい、なのかな。
試しに、「ゲームしない?」って寄りにも寄って修羅場ってる時に言ってみたけれど大成功。
小学生の可愛かった子は、随分と格好良くなって俺の目の前に現れた。
てか、俺の面白い話よりも聞きたい事って一体何だろうか。
今まで俺と同じようなゲームをしてきた死神達はたくさんいたけど、ゲームに乗った子供は当り前といえば当り前だけど大概死神を憎んでいた。
それがこの子からは全く感じ取れない。
仮にも、父親の命を奪われたっていうのに。
「父親の命を奪ったのに、どうして憎まないのか。答えは簡単だ、そんなの時間の無駄」
驚いて双眸を見開く。それを見た青年は大きく溜息をついて、
「あのさ、これでも俺、霊能者っていうかあんたらに近しい存在になっちゃってるんだけど」
多分、というか紛れもなくアンタに接触したからだろうけど、と言った。
「だから、ちょっとくらいなら相手の思考を読む事も出来ちゃうんだよ」
「あ、そっか」
なるほどなるほど、と手を叩くと呆れ顔が返ってくる。だってそんな、確かに生きてる状態で死神を見た上に会話なんかしたら何かしらの後遺症が残るとは知ってたけど、そういう影響が出るだなんて知らなかったんだもん。
「知っとけって死神なら」
ああまた読まれた。
「てかシャットダウンしろ!!出来るだろ、俺が出来るんだから!!」
「うんまあ出来るけど」
でも面白いからいいかも、とちょっと思っちゃってる。
「てゆーか捕まえなくっていいの?」
「いい年しててゆーかって言うな。・・・裾」
唐突に言われたから理解できなかった。裾って何のこと、と一瞬考えてハッとする。
「・・・あ」
「随分お間抜けなのに俺は・・・ああもう・・・」
青年の言葉通り、俺の服の裾はばっちりと彼にホールドされていた。ホールドっていうか摘ままれてるような感じだけれども。
しかし、捕まえろとはいったものの。
「で、でもでも、裾だけってズルイと思わない?」
もっとドラマチックっていうか胸躍らせるactionとかむしろ少年格闘漫画的なのとか、そんなのをちょーっと期待していただけにこれは酷いと思う。
「あんたの服だろ」
ズバッと言われると反論できない。確かに、ちゃんと細やかなルールを敷かなかった俺が悪いんだし。
「初日から負けるとか情けなーい」
「それはこっちの台詞」
全く何年もかけて苦労してきた事が数分で終わるとは思わなかったぜ、とぼやく青年を一瞥し、
「・・・んで、聞きたい事って?」
と尋ねた。
質問自体は結構普通だったと思う。
だけど、次に彼の言った言葉は俺は多分、一生忘れらんない。
「死神って抱けんの?」
多分、この日は俺にとって死神稼業やっていて最も驚いた事ベスト1に永久的に輝くと思います。
END
続き書くとしたらガチで年齢指定かかる話になるかもしれません。
折角の人×人外、今まで「皆が読める健全に近いモノ書いてます(はぁと)」とかほざいてましたが、一つ二つくらいは書きたいというかUPしてみたいというか。
しっかしやるとしてもサーバーどうすっかな、リゼは確か駄目だった気がするし。
・・・兎にも角にも名前考えておこう。
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